恋にうつつのCrazy

神山智洋くんを全力で応援しています。

惚れたもんだから仕方ない。

私は、極力本人から聞きたい。伝聞は好きじゃない。たとえそれが、自分にとってあまりいい報せと言える言葉ではなかったとしても。

何か、そういった発表がある度に思い出す光景がある。

緊迫していた2000年の京ドーム公演初日、開演直前に渦中の人であるその人は一人でステージに出て来た。

そして「俺、結婚します!」と宣言をした。

その後、通常通りにコンサートは進められ、MCでもその話題は特に取り上げられず、今までと全く何も変わらない彼らがそこにいた。

私はこの日の公演を一人で申し込んだので、一人で観に行った。

偶然、隣もお一人様の女性だった。

そのお隣の方の鞄からは、うちわの柄がちょっぴり見えていたのだけれど、客電が落ちても、1曲目が始まっても、その後も、その人はうちわを鞄から取り出さず、腕組みをして、じっとステージを見つめていた。リズムにも乗らず、コールもせず、微動だにせず。

ちょっと気になっていた。

きっと、そのうちわは、開演前に一人出てきた彼のものなんだろうなと想像できたから。

MCが始まって、開演前の宣言については特に取り上げられることもなく終わり、再び立ち上がる時に、その人は鞄からうちわを出しました。ひとつ、大きくため息をついて。

そのため息は絶望でも失望でもなく「仕方ないなぁ」って、言っているみたいに感じた。

うちわは思っていた通り、結婚を発表したメンバーの、その年のものではない、何年か…何年も前のオフィシャルのうちわだった

その人が腕組みを解いて、そのうちわを持って、普段どおりにコンサートを楽しみ始めたのが隣にいても伝わって来た。

アンコールで、近くに来たそのメンバーに隣の人は一生懸命手を振っていた。

そして、遠ざかっていくその背中に、笑顔を向けていた。

私はその時の光景が忘れられない。

その時ね、思ったんですよ。

ちゃんと伝わったみたいだよ、って。

ちゃんと伝わったのは、本人が本人の口から伝えたからだ、と思った。

報道された何かではこんな風にはならなかったんじゃないかなーって。

赦すとか赦さないとか、そういう問題でもないんだけれど、きっとお隣の方は、今までとの変わらなさに「赦せた」んじゃないかなって。話したワケじゃないから想像ですが。

まぁ、惚れた方が負け、というだけの話かも知れないですけれどね。