恋にうつつのCrazy

神山智洋くんを全力で応援しています。

Tough Weeds*覚書(2幕前半/あらすじ編)

今更書いてる松竹座覚書、まだまだ続きます。今回は2幕前半(芝居部分)のあらすじ。

続きを読むに詳しく物語を書いていますので、長文を読む気になれる方はそちらもどうぞ。つまりこれって川原泉方式(笑)。

 

関西ジャニーズJr. 大阪松竹座夏特別公演

Tough Weeds 光の射すほうへ…

 AND SHOW TIME

 

【2幕/芝居「Tough Weeds 光の射すほうへ・・・」】

 

<あらすじ>

シュンの考えた脱獄の計画通り、Z房の面々はそれぞれ準備を進めて1週間後、彼らはいよいよ決行する。

しかし、看守の人数が多過ぎて窮地に陥る。そこに助けに来たのは対立していたR房のメンバーだった。

出口まで辿り着けたのは、シュン、リュウジ、くず鉄、ケッペキの4人。リュウジがブレーカーを壊す事に成功し、門が開いたがそこでは先回りしていた所長がピストルを構えていた…。

リュウジのせいでZ房の面々が団結し扱いづらくなったと思っていた所長は、リュウジを撃ち殺そうとするが、リュウジの前にくず鉄が飛び込み撃たれてしまう。再びリュウジに銃口を向け、引金を引くが撃たれたのは所長の方だった。佐久間は看守の振りをして潜入捜査をしていた刑事だったのだ。

1年後、それぞれの夢を叶えたZ房の面々は約束の丘の上で再会する。

 

  

※場の分け方とそれぞれのタイトルは、この説明を書くために私個人が便宜上つけたもので公式ではありません。ご了承ください。

 

【第一場 計画】

シュンが立てた脱獄の計画を皆に話す。

まず、リュウジとタイソンは独房に入り、看守の見回りの時間と回数を正確に把握すること。独房は2階にあり看守の動きを把握しやすいためだった。

手先が器用なくず鉄は鍵の複製、何でも調達することができることからコンビニ兄弟と呼ばれているレンとノリは、脱獄に必要なロープや縄梯子の調達、口の巧いカラスは看守たちに近づいて情報収集をすることになる。

そして、この刑務所の建物の図面を作ることが必要だとシュンは言う。この刑務所の建物を把握するには、汲み取り式であるトイレから配管を伝って他の部屋に行き、それを図面にするのだと。

その役目は、シュンが担うつもりだった。そう申し出ようとした時、ケッペキが手を挙げる。

「僕が行く。みんな特技があるけど僕には何もないし、僕、絵を描くのが得意だから図面も書けると思うねん。もう、潔癖なんて言ってられへん」

それぞれの役割が決まった。シュンはコンビニ兄弟にリュウジのサッカーボールを託し「これを、見つからないところに隠しておいてくれ」と頼む。そのサッカーボールが最後の鍵になるから、と…。

 

【第二場 決行】

計画を立ててから1週間、それぞれがそれぞれの役割を務め、綿密な準備を進めた。

カラスが得た情報から、長期休暇に入り警備が手薄になる時期、脱獄計画がいよいよ実行に移される。

8人が檻を出ると、そこには沢山の看守たちがいた。脱獄者がいるとの報せは、もちろんすぐに伝わっていたのだ。シュンはそれも計算してあると言い、シュン、ケッペキ、レン、ノリとリュウジ、くず鉄、カラス、タイソンの二手に別れて逃げ倉庫の前で落ち合うことにする。しかしその時、人影が現れた。それは今まで事あるごとに対立していたR房のメンバーだった。彼らは、今回のトシローの死の原因は刑務所の隠蔽工作であると勘付いており、それがどうしても許せなかったのだ。

「トシローの事は俺らも許してない。あいつら、やったらあかんことやりよった」

「俺らに任せて早よ行け。お前らとはいつか決着、付けなあかんからな」

「喧嘩の相手がおらんなるのは寂しいねんけどな…逃げ切れよ」

「R房の実力、見したろやないか!」

彼らは、優遇されている自分たちの立場が今後危うくなることを承知でZ房の面々を逃がすために、看守たち相手に暴れ始めた。

そして、Z房の面々は二手に分かれた…。

 

【第三場 光の射すほうへ…】

(TEAMリュウジ タイソン)

リュウジたちは、くず鉄が複製した鍵を使って外へと向かおうとしていたが、鍵がなかなか開かない。やっと開いた時には追ってきた看守たちに追いつかれそうになっていた。リュウジが急かしてくず鉄、カラスと外に出るが、タイソンは黙ってその扉を閉める。

「ここで俺が食い止める」と、その場に残って看守たちをひとりで食い止めると言い出す。

リュウジはタイソンに食い下がろうとするが、タイソンは「お前は、その手紙、届けないとあかんのやろ!」と一喝する。そして、リュウジはその一言で、タイソンを置いて立ち去ることを決める。

そして、皆が去った事を確認したタイソンが吼える。

「今日は手加減せぇへんからな、死にたいやつからかかって来いや!」

そこに、R房のカイトが現れる。何しに来た、と問うタイソンに「俺も暴れさせろ、お前とは決着、付けなあかんからな!」とタイソンに加勢する。

 

(TEAMシュン レンとノリ)

一方、シュンたちは、レンとノリが途中で「武器の調達をして来る」と別行動することになる。二人はコンビプレーで看守からピストルを奪ったが、後からやって来た別の看守にノリが脚を撃たれ、その場にうずくまる。ノリは「おにぃだけでも逃げろ」と言うが、そんな弟をレンは背中に引っ張り上げるようにおぶって一緒に連れて行こうとする「一緒にケーキ屋するんやろ?お前はとにかく撃ちまくれ!俺は走る」しかし、撃ちまくった結果、弾がすぐに切れてしまい再び窮地に陥る。そこに、一人の看守が背後からやって来てレンの背中を殴打しその場にへたり込ませた。

「ここは俺にまかせろ!お前たちは所長室へ向かえ!」その、背後から来た看守の一言で、兄弟を囲っていた看守たちは一斉に所長室へと向かった。残ったのは兄弟と謎の看守。その看守は目深にかぶっていた制帽を脱ぎ、正体を現す。

「制服盗むんなんてちょろいちょろい、こんなんできるんは、お前らだけじゃないんやぞ」

R房のソラだった。ソラに先導され、兄弟はその場から逃げる。

 

(そして合流 カラス)

ケッペキをナチが助け、くず鉄をアオノが助け、リュウジのところにはテツとミナミが来る。R房の助けによって何とか倉庫の前で二手にわかれていたリュウジたちとシュンたちが落ち合うが、そこにいたのはシュン、カラス、リュウジ、ケッペキ、くず鉄の5人だけだった。そして、倉庫の周辺は看守の数が多すぎてこれ以上進むことが困難だと思われたその時、カラスが立ち上がる。

「俺は仲間や、俺の事を信じてくれ」そう言い残すと、カラスは一人、看守に気づかれるように振舞う。

「おーい、看守さん、ここやここ。俺は脱獄なんかしたくなかったんや。だけど無理やりここまで連れて来られてしまった。取引きや。俺は計画を全部知ってる。仲間の振りをしたらみんな教えてくれたわ。その計画を話すから、俺だけは助けてくれ」

物陰でその会話を聞いたくず鉄はショックを受けるが、シュンは何か考えがあるようで、3人を急き立て4人はカラスを残し、その場を離れる。

カラスは所長に「あいつらは東門から逃げる」と告げる。所長は所内の全看守に東門に向かうよう命令する。しばらくすると、周囲にいた看守たちが所長の命令を受けて東門の方へと移動し始める。その隙に西門に向かって彼らは走り出した。

一方、東門には逃亡につかうはずの縄梯子が見つからず、カラスの告発が嘘だった事が露見する。

カラスは「すまんな、嘘つくのは得意でな」とニヤリと笑い、「もう遅いわ。あいつらもう西門から出てる頃や」と看守長を挑発する。

「あいつらは俺の事を初めて仲間や言うてくれたんや。覚えておけ、俺はカラスじゃ。大嘘つきのカラスじゃ!」

そこに、看守長の警棒が振り下ろされた…。

 

【第四場 西門】

ようやく、西門に辿り着いた。Z房の仲間は半分の4人になっていた。

大きな門は電気で制御されており、人の力ではぴくりとも動かない。リュウジが「どこから逃げるんや」とシュンに問いかけると、シュンは西門を示して「ここからや」と答えた。

いつの間にかシュンの手元には、コンビニ兄弟に隠しておくように頼んでいたサッカーボールがあった。シュンはそれをリュウジに渡す。

「あそこの、監視塔にあるブレーカーが見えるか?あれを潰せば、所内の電源供給が止まる。そうすればこの門が開く。チャンスは一度きりや、できるか?」

リュウジは頷き、震える手でサッカーボールを地面に置いた。そして祈るような気持ちでサッカーボールを目標に向かって、蹴る。

ガシャンと大きな音がして、サッカーボールはブレーカーに命中した。西門がゆっくりと開き始める。

「これで手紙、届けられるな!」

4人が門から出ようとした時、外から銃声が響いた。そこには先回りしていた所長がいたのだ。所長は一人ずつここで撃ち殺してやると言い、「お前が来てから、Z房の皆が変な気を起こし始めた。まずはお前からだ」とリュウジを狙い、照準を定めた。

門から出ようとした時に脚を撃たれていたリュウジは動けず、逃げられなかった。所長が引き金を引いた瞬間、くず鉄がリュウジの前に飛び出してくる。そして、リュウジを狙っていた弾はくず鉄の胸に当たってしまう。

「俺、バカだからわかんないけれど、天国にも鉄屑、あるんかなぁ…これ、あげる」

くず鉄は、集めていた宝物の鉄屑の一つをリュウジに渡して意識を失った。

更に、狙いを定める所長にリュウジが向かっていこうとする。所長が撃鉄を起こしリュウジを撃とうとした瞬間、別の銃声が響き所長の持っていた拳銃が弾け飛ぶ。

拳銃を構えていたのは、佐久間だった。佐久間はこの刑務所の悪い噂の事実を突き止めるために看守になりすまして潜入捜査をしていた刑事だったのだ。

「証拠はたっぷり集まりました。刑務所に入るのは所長、あなたの方ですよ」

所長が逮捕され、その場には4人と佐久間が残った。

「私がもう少し早く動いていれば…」4人に頭を下げる佐久間。くず鉄は起き上がらない…。

 

【第五場 丘の上】

1年後、丘の上に建てられた墓に花を手向ける男がいる…佐久間だった。

その姿を見守っているのは、コック服姿のレンとノリ、スーツ姿のカラス、トレーニングウェアのタイソンだ。そこへ、シュンとリュウジが現れる。

久々の再会を喜び合い、近況を報告しあう仲間たち。レンとノリの兄弟はケーキ屋を始め、タイソンは先日受けたプロテストの結果待ち、カラスはテレビショッピング「ジャパネットカラス」のアナウンサーをしている。そう、それぞれがあの日語り合った夢を叶えていた。

リュウジはぼろぼろになった洋服に片足だけ靴を履いている男の姿に気がついて声をかける。その男は、あのケッペキだった。

「お父さんの会社が潰れて、今日一日生きるのに精一杯や、もう潔癖なんて言ってられへん!」

「人間、1年あったら変わるもんやな…」

その姿に皆が驚いている中、チャラいスーツに金のアクセサリーをジャラジャラつけた男がやって来る。

「みんなー!」と呼びかけたのは、すっかり様変わりしたくず鉄だった。

くず鉄は鉄鋼会社の社長となり、今や金持ちになっていた。ケッペキの姿を見つけ「うちの会社で働くか?鉄の世界は厳しいで」と声をかける。

あの時、くず鉄の胸に当たった弾丸は、くず鉄が胸ポケットに大切にしまっていた宝物、トシローから貰った鉄屑の鎖が食い止め、貫通してはいなかったのだ。ただ、胸に弾丸が当たった衝撃に驚き、気を失っていただけだった。

「あの時、リーダーが守ってくれた気がする。リーダーは一緒にいてくれたんや」

そのくず鉄の言葉に、佐久間は言う。

「今もいるよ」

皆が、笑顔で空を見上げる。そうだ、みんな、ここにいる。

リュウジは空に向かって呼びかける。

「トシロー、お前、天国で笑えてるか?」