恋にうつつのCrazy

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Tough Weesd*覚書(1幕後半/あらすじ編)

今更書いてる松竹座覚書、まだまだ続きます。今回は1幕後半(芝居部分)のあらすじ。

続きを読むに詳しく物語を書いていますので、長文を読む気になれる方はそちらもどうぞ。つまりこれって川原泉方式(笑)。

 

関西ジャニーズJr. 大阪松竹座夏特別公演

Tough Weeds 光の射すほうへ…

 AND SHOW TIME

 

【1幕/芝居「Tough Weeds 光の射すほうへ・・・」】

 

<あらすじ>

地球のどこか、ある国の、とある少年刑務所。

曲者揃いのZ房に2人の新入り(リュウジ、ケッペキ)が入って来た。

リュウジの明るく前向きな性格が、Z房の面々を徐々に変えて行き、Z房のメンバーにいつの間にか絆が生まれ、出所したら丘の上で再会し、この刑務所を見下ろしてやろうという約束を交わす。

最初に出所することが決まったのは、シュン。しかし刑務所内で行われていた少年囚たちへの暴行などの悪事が発覚することを恐れた所長の指示で、シュンが煙草を所持しているとでっち上げ、出所を阻止しようとした。その時、Z房のリーダーのトシローがシュンを庇い、自ら独房へと入る。

独房でトシローは看守長からの暴行を受け、死亡する。翌朝、トシローが脱獄しようとしたために射殺したと聞かされる。

しかし、Z房に残されていたトシローの母親宛ての手紙を見つけ、トシローが脱獄しようとしたなんて絶対にありえないと確信したZ房の面々は、トシローの母親に手紙を届けるため、そしてトシローを殺したヤツらへの復讐のため、脱獄を企てる…。

 

 

※場の分け方とそれぞれのタイトルは、この説明を書くために私個人が便宜上つけたもので公式ではありません。ご了承ください。

 

【第一場 Z房の新入り】

曲者揃いのZ房に、カシワギリュウジとイチモンジヒデマロという2人の新入りが入って来た。

入ってくるなり「こんなところ最悪や」と頭を抱えるヒデマロに対し「もっと最悪なヤツがおる」と言うのは、カラス。そこにその「最悪なヤツ」、タイソンが独房から戻って来る。彼は、看守を殴って1週間の独房入りを命じられていたのだ。

帰って来たタイソンを、シュンが挑発する。タイソンは喧嘩した相手のシュンが独房入りにならなかった事に納得がいかないのだ。二人が喧嘩になりそうな様子に、Z房の面々はどっちが勝つかの賭けを始める。そんな二人の間に「俺の方が強いぞ」とリュウジは割って入る。しかし、二人と喧嘩はしないと言う。その理由を「二人とも弱虫のヘタレやからな」と語るリュウジに憤るシュンとタイソン。そして、殴りかかってきた元ボクサーのタイソンの拳を、リュウジはあっさりと片手で止めて見せた。

リュウジは「どん底におる時こそ、笑わな」と言う。「こんなゴミ溜めみたいな場所で笑うなんてどうかしてる」という皆に大して、リュウジは「今が最悪(どん底)なら、あとは上っていくだけだ」「笑ったら楽しいで」と説く。すると、トシローが「ははははは」と不器用に笑い始める。他のメンバーは最初、相手にしていられないという態度だったが、前向きで明るいリュウジに少しずつ影響されていく。

金持ちの息子で異常なほどの綺麗好きであるヒデマロは、くず鉄から「お前、今日からケッペキな」とあだ名を付けられ、Z房での暮らしが始まった。

 

【第二場 R房との対立】

ある日、作業が終わり食堂に行くと、そこにR房のメンバーがやってきて配膳の列に割り込んで来た。

リュウジが注意するが、看守たちもZ房のメンバーもそんなリュウジに聞く耳を持たない。彼らは親の金や権力によって所内で特別扱いされ、優遇されているのだった。リュウジはR房のメンバーに押されてテーブルに倒れこみ、食器をひっくり返してしまう。

一触即発の雰囲気のタイソンとカイトの間に、ケッペキが押されて止めようとするが、そんなケッペキをカイトが小突き、ケッペキは倒れこむ。それを見たリュウジは「俺は割り込まれようが、飯無駄にされようが怒らへん。でも仲間に手ぇ出すんは許さへん」とカイトに殴りかかり、そのままZ房とR房の殴り合いが始まる。そしてシュンとリュウジは止めに来た看守を殴り、1週間の独房入りを命じられる。

 

【第三場 独房(シュンとリュウジ)】

1週間の独房入りを告げられたシュンとリュウジは、隣同士の独房で色んな事を語り合う。

シュンは、リュウジがここに来たのはどうしてかを尋ねる。

リュウジは「住んでいる町に悪いヤツがいて、そいつを懲らしめようとしてちょっとやり過ぎた。正義のヒーローになるつもりが、こんなところにいるわ」と笑って語り、その理由を聞いたシュンも「お前らしいな」と笑う。そしてZ房の面々は運が悪く、他の人の罪をかぶっていたり、病気の母親を養うために盗みを働いたり、根はイイヤツばかりだと言う。そんなシュン自身は「弟を養うためにバクチに手を出したらパクられた」と言い、自分たちは親から捨てられたたった二人きりの家族で、弟のサトシは兄であるシュンの出所を待っているのだ、と語る。そして、シュンの刑期は残り1ヶ月であり、「本当は独房に入るような無茶はできへんねんぞ」と言って笑う。

 

【第四場 約束】

1週間が過ぎ、シュンとリュウジがZ房に戻ると、待っていた皆から熱烈な歓迎を受けた。その後も看守たちからの嫌がらせは続いたが、彼らの絆の前ではそんなものはどうって事もなかった。

そんな中、くず鉄がトシローから作業中に見つけた鉄屑(鎖)を貰う。くず鉄はその名の通り鉄屑集めが趣味で、将来は「鉄を一杯集めてお金持ちになる」のが夢なのだ。

リュウジは皆に、それぞれの夢を聞く。シュンは、弟とアパートを借りて暮らし、お金を貯めて弟をいい学校に行かせたいと言う。タイソンはまたボクシングをやりたい。選手が無理ならトレーナーとしてでもいいと語る。そしてトシローは、今まで迷惑ばかりかけた母親に楽をさせてやりたいと言い、レンとノリの兄弟は二人でケーキ屋をやりたいと、夢はまだ決まってないと言うカラスは「カラスは口が巧いからテレフォンショッピングのアナウンサーとか!」と提案され、まんざらでもない様子。ケッペキは父親が社長だからそれを継いで将来は安泰だと言い、リュウジはサッカーをやっているからJリーガーになるのが夢だとシュンにバラされる。

そんな中、トシローは全員がここから出所したら、この刑務所から見える丘の上にみんなで集まって、そこからこの刑務所を見下ろそう、と提案する。その提案に賛同した皆から「幹事はトシローな」「トシローはみんなのリーダーだ」と言われ、トシローはZ房のリーダーとなる。

そしてトシローが歌い始め、少しずつその歌が合唱となっていく。そこに看守長がやって来て「囚人の分際で歌を歌って楽しむなんていい身分だな」「お前らは雑草なんや」と言ってZ房の皆を殴り始める。それに気がついた佐久間は看守長を止めに来る。看守長が出て行った後、佐久間は「辛いだろうけれど、がんばれ。早まった事をするなよ」と皆を励まし、Z房のメンバーは看守にも自分たちのことをわかってくれる人がいることに救われた気持ちになる。

 

【第五場 シュンの手紙】

シュンがサトシに手紙を書いている。

「サトシへ。元気か?兄ちゃんは何とか元気にやってるぞ。もうすぐ、もうすぐお前に会えるからな」

サトシが友達と一緒に歩いて来る。手紙を読んでいるサトシに仲間が誰からの手紙かを尋ねると、サトシは「兄ちゃんや、兄ちゃんが帰ってくるねん。兄ちゃん頭いいからアメリカの大学に行ってるねん」と答える。しかし友達の一人はシュンが刑務所に入っている事を母親から聞いており、サトシの事を嘘つきだと糾弾し、皆はサトシを置いて立ち去ってしまう。

サトシからシュンへの返事。

「兄ちゃんへ。僕も毎日楽しくやってます。帰って来るの楽しみに待ってるから」

 

【第六場 送別会】

Z房では1週間後に出所が決まっているシュンの送別会が行われる。レンとノリの兄弟は、食材をかっぱらってホットケーキを焼いた。それを皆で食べているところに佐久間がやってくる。

「今何か隠したやろ、出せ」

隠したホットケーキをしぶしぶ出すと、佐久間はそれを一口食べ「あーあ、食べてしまったから共犯やな。今日のところは見なかったことにしてやるよ」と言う。

送別会で盛り上がっているところに、所長と看守長が入ってきて、抜き打ちの持ち物検査が始まる。看守長がシュンのポケットに煙草が入っていたと報告する。もちろん、シュンの身に覚えのないことだった。シュンは「入ってなかったぞ」「俺が出所して、悪事がバラされると困るからハメたんやろ」と言うが、所長たちは聞く耳を持たない。その時、トシローが「その煙草は僕のです。間違ってシュンのポケットに入れてしまいました」と名乗り出る。

所長たちはトシローに「嘘をつくな」と言うが、トシローは譲らない。そこでトシローに独房入りを命じ、傷めつけてトシローに自分の煙草ではないと言わせようと企む。リュウジが所長たちに食いかかろうとするのをトシローが「佐久間さんも言ってたやろ、早まった事したらあかん」と諭すと、リュウジは拳を下げる。そして、シュンに「お前は弟が待ってるやろ。俺は、リーダーやからな」と言い残して独房へと連行される。

 

【第七場 独房(トシロー)】

独房に入れられたトシローは、所長と看守長から殴る蹴るの激しい暴行を受ける。しかし、トシローはどんなに責められても「その煙草は僕のです」と言い続ける。ぐったりとしたトシローを投げ捨てるように放置して、二人は独房を後にする。

そこへ、Z房のメンバーがこっそりと夕食の残りを差し入れしにやって来る。トシローは皆に強がって「大丈夫やで、俺は強いリーダーやからな」と笑う。

足音が聞こえ、見つかる前に独房からZ房のメンバーが退散すると、やって来たのは看守長だった。トシローが持っている差し入れのパンやおかずを見ると「クズの馴れ合いか」と言い、再びトシローをこれでもかと殴りつける。トシローは黙って耐え続ける。

看守長はようやく出て行くが、トシローは皆からの差し入れをしっかり握り締めたまま「おかん、親孝行できんみたいやわ…俺、いいリーダーになれたかな…」とつぶやき、息絶える。

 

【第八場 朝礼】

翌朝、緊急の朝礼のため少年囚たちは集合させられていた。そこで、所長から「脱獄を試みようとしたトシローは射殺されました」と告げられる。優遇されているR房の面々も、その言葉に驚愕する。

「どんだけ腐ってんねん、この刑務所…!」

彼らは、トシローが脱獄しようとして射殺されたのではないと、その言葉を信じてはいなかった。しかし、どうすることもできず、それぞれの房に戻って行く。

 

【第九場 脱獄計画】

Z房では、佐久間が「トシローを守ってやれなかった。これからちゃんと調査する」と頭を下げるが、レンは「調査する?そんな事をしても死んだトシローは戻って来ない」と怒りをぶつける。

その言葉を聞いたシュンは、トシローは自分を庇ったために殺されたのだと苦悩していた。

皆が憤る中、タイソンは耐え切れず「ごめん、約束、守れそうにないわ」と言い出し、看守たちを傷めつけに行こうとしていた。「俺も同じ気持ちや」と一緒に行こうとしたシュンの鳩尾にタイソンは一発食らわせ、「刑期が延びるのは俺だけでいいねん」と阻止する。シュンは「お前ひとりだけカッコつけんなよ」と泣き崩れるが、立ち上がることができない。

そんなタイソンをリュウジが「早まったらあかん」と止めるが、タイソンは「お前は、あいつが死んで、こんな時でも笑えって言うんか!」と言い返す。すると、リュウジは最後の糸が切れたように「そんなん、そんなんわかってるよ。俺だって…俺だって…」と泣き出す。

膝をついて下を向いたリュウジは、手紙が落ちているのを見つける。開いてみるとそれはトシローが母親へ宛てて書いた手紙だった。独房に連行される前に書いていたものらしい。

「おかんへ。俺、Z房のリーダーになってん。悪さばっかりしてた俺がみんなのまとめ役やって。おかん、俺、ここ出たらちゃんと働いておかんに美味いもの一杯食わせたるからな」

トシローの手紙を読んで、その手紙をトシローの母親に届けたいとリュウジは言う。しかし、この腐りきった刑務所をまともに出ることはできそうにない。その時、黙り込んでうずくまっていたシュンが提案する。

「脱獄や!」

「ひとりではできない。今まで脱獄に成功したヤツはおらん。人数が多い方が成功する確率は上がると思う。だから無理にとは言わないが、協力して欲しい。計画は俺が立てる」

「おもしろそうやんけ、俺は行くで」と一番に賛同したのは、タイソン。

レンは「俺の盗みの腕は役に立つで」と立ち上がり、弟のノリは「おれ"ら"や」と兄の肩に手を副える。

くず鉄も「俺も、アホやけど、連れてって」と立ち上がる。カラスも「俺の仲間はお前らだけやからな」と脱獄に協力することを決め、そしてケッペキは「じゃあ僕も。一人置いてきぼりはイヤや」と皆と行くことを決め、これでZ房全員が脱獄することになった。

「なぁ、俺ら雑草やったっけ?じゃあ、踏まれても踏まれても立ち上がってやろうぜ」